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職人の技術と「オープンブック方式」

2013/11/21

仕上(塗装、防水)業は、新築時は総工事の1%位ですが、大規模修繕となると50%以上になる為、業者主導でそのマーケットは開発されていったといっても過言ではありません。デベロッパーも管理会社も登録があっても、実際に現場に精通している人はごくわずかな人ですし、ゼネコンも改修工事に関わる部分はそう重きを置いてなかったのです。(建築士を目指す人は1%に関わっていると資格が取れなくなるので仕上業者の番頭や職長に任せていたのです。)

この種の仕事は、我々専門工事業者、特に主に塗装業者に下見積を含め、仕様書までを依頼していたのが現状です。
業者が下見積をすると安く見積りするはずがありません。値切分も含めて、提出するのが一般的です。その結果様々な問題がはびこっています。

イ.バックマージン  ロ.仕事の悪さ  ハ.手数料の問題

※何故塗装業者が中心かということは、新築時の仕上業者の中で左官と塗装は大事な業種であり、塗装工は補修、シールも含め、これの仕上をほとんどマスターしているのです。また、一人前の職人になるには通常10~15年かかります。(「はじめてのマンションの大規模修繕工事」参照)

左官業の歴史と技術を見てもわかります。左官の技術は奥深いものがあり、従来の建築物に占める左官のウェイトが、大変大きなものでありました。しかし近年、技術が簡素化されてきています。その象徴がハウスメーカーの住宅です。プレカットされたものを流れ作業で組付けできる住宅が開発されたことで、左官の仕事が減少して来たのです。例えば塗装ですと、①色合わせ、②刷毛さばきで、約10年経験が要るのですが、色合せはメーカーで、刷毛がローラーになってしまっていて技術を習得することがなくなったのです。今、吹付やタイル仕事も含め、多くは左官業からでありますが、時代の流れのマーケットに合わすことが出来ず(または職人のプライドも高かった?)に来たのが、事実でありました。建設業の専門工事業者は28業種と言われていますが、昔の技術は躯体を含め、主に7業種で建てられたのです。したがって7業種一つ一つに約10年位の修行が必要だったのです。住み込みで10年位見習えば立派な技術を持つ職人として育つのが通常でした。"手に職を持て"という言葉は多くの業種に言われた所以です。

また我々塗装業者には過去に大きな問題が発生しています。公共工事の談合問題です。現状のマンション大規模修繕のマーケットのほとんどが、その時と同じような形で施工されていることを理解しなければなりません。

いずれはマンションも管理組合という組織なので、談合問題が適用になると思います。
このマーケットに透明性をもたらすのが、まさに「オープンブック方式」なのです。